電力会社の電力メニュー(料金プラン)には色々な種類があり、その中から自分で好きなプランを選ぶことができます。
これに関しては意外と知らなかった人が多いみたいですし、毎月電力会社から送られてくる電気料金が記載されている「電気料金のお知らせ」も数字だけの確認に終わっているのが現状でしょう。
太陽光発電の場合どの電力メニューを選ぶかは、実はとても大切なポイントで、太陽光発電のメリットも違ってくるのです。
電力料金のしくみは、全国に10の電力会社があり、各電力会社はそれぞれ独自に料金メニューを決めていて、プランの名称もそれぞれ違いますが、料金メニューを構成する体系はほぼ同じものです。
電力料金は大きくは2つの部分で構成されています。1つは「基本料金」、もう1つは「電力量料金」です。
「基本料金」は電気の使用の有無、多少にかかわらず、「契約容量」によって金額が変わってきます。
「契約容量」とは、“瞬間で最大どれぐらい大きさの電力を使うか”をあらかじめ取り決めたものです。
電気契約にも2種類あり、一つは従量電灯契約といい、10A〜60A(アンペア)の範囲で選びます。
もう一つは使用した電力量に応じて支払う料金システムです。
それでは電気メニューには、どのようなものがあるか説明します。
時間帯別電灯契約
エコキュートなどの深夜蓄熱式機器を使用している場合に、メリットの出やすい料金メニューです。
1日を夜間時間と昼間時間に分け、従量電灯に比べ深夜時間は電力単価を安くし、昼間時間は高く設定してあり、深夜の料金が安くなります。
安い料金で給湯や蓄熱暖房などを利用することができる反面、昼間の時間が高くなります。
季節別時間帯別電灯契約
エコキュートなどの夜間蓄熱式の機器を導入し、さらにIHクッキングヒーターなどキッチンも電化にした場合、いわゆる「オール電化」にした場合に適用できる料金メニューです。
1日を3つの時間帯に分け、それぞれの時間帯によって電力単価が変わります。
その中で昼間時間は、さらに「夏季」と「その他季」の2つの季節に分かれ、それぞれ「電力単価」が変わります。
売電価格の決まり方
それでは料金メニューが太陽光発電とどうかかわってくるかというとポイントは「売電単価」になります。
太陽光発電の売電金額は「売電単価」×「余って売電した電力量」で計算します。
この「売電単価」が料金メニューによって違ってきて、同じ発電量でも選択した料金メニューによって口座に振り込まれる金額も違ってきます。
わずかな単価の違いでも毎日毎日の積み重ねが、何カ月何年何十年と続くと大きな違いになってくるのです。
東京電力を例に見ると、売電単価は「従量電灯B・C<おトクなナイト8(平均値)<おトクなナイト10(平均値)<電化上手」の順で高く設定されているます。
それでは、どのプランを選んだら“得”かは、太陽光発電とその他の設備の導入状況によって変わってきますし、昼間の時間帯のライフスタイル、余剰電力量によっても微妙に違ってきます。
特に「オール電化」と太陽光発電を組み合わせた場合は、「季節別・時間帯別電灯契約」を選ぶのが太陽光発電で発電した電気を買取ってもらう単価が最も高いから「一番お得」といえます。
ただし太陽光発電システムを設置しているが、オール電化ではなく一部ガスなどを残している場合は「季節別時間帯別電灯契約」が使えません。
料金メニューについては、各電力会社の窓口に相談すると現在の電気の使用状況を調べてシミュレーションを出してもらえます。
太陽光発電を導入したのに、契約は「従量電灯」のままになっているという方は一度電力会社に相談してください。