電力会社や電気設備業者がオール電化住宅の目玉商品の一つとして導入に力を入れているものに「エコキュー ト」があります。
エコキュートのシステムはヒートポンプを利用して空気から熱を取り込み、この熱を利用して給湯器に応用し
たものです。
エアコンなどに利用されていたヒートポンプの技術の応用で、これまでのように火や電気、ガスなどを使用し ない全く新しい給湯システムで、燃焼型給湯器に比べランニングコストが抑えられ経済的な給湯器です。
エコキュートの構造
エコキュートは、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットから構成され、ヒートポンプユニットで貯湯タ
ンクユニット内の水をお湯に沸かし(熱交換して)再び貯湯タンクユニットへもどしています。
貯湯タンクに 戻ったお湯は水と混ざることがなく、上部にたまっていきます。
たまったお湯は、電気によって保温されているのではなく、断熱材によってポットのように保温しています。
室内でお湯の蛇口をひねると貯湯ユニット下部から水が自動的に給水されて、お湯を押し上げて給湯します。
エコキュートでは、電気はお湯を沸かすためや給湯するためではなく、熱(冷媒)を移動させるために使われ
ています。
エコキュートで使われる電気エネルギーと生み出される熱エネルギーを比べると、なんと熱エネルギーは使っ た電気エネルギーの3倍以上ですから、エコキュートは非常に効率の良い省エネ機器と言われています。
貯湯タンクの容量
一般家庭でのタンクの種類は、300L、370L、470Lがあり、選択は家族人数で割り出します。
目安としては「3〜5人300L〜370L」「5人以上は470L」とされていますが、それ以外の特殊な 家族構成の方や、自分のライフスタイルでは300Lと370Lどちらが良いか迷う人は、専門業者に確認し ましょう。
利用上のポイント
エコキュートは深夜電力を利用して90℃の高温にし、水栓からお湯を出すときに水と混合し42℃のお湯にし
ます。
低水温の冬は混合時でお湯を使用する量が増えてしまい、結果42℃で使用できるお湯の量が少なくなります。
夏の使用できるお湯の量に対し冬は4割近く減少するそうです。
タンク容量の選択は冬を基準に考えないと、「湯切れ」が起きてしまいますから注意しましょう。
また、便利なお風呂の保温機能ですが、長時間使用すると「使える湯量」が減ってしまいますから注意して下 さい。(2〜3時間程度が目安限度)
エコキュートを長持ちさせるには、年に2回貯湯タンク下部の排水栓よりタンク下部の水と沈殿物を排出して
下さい。バルブを開けて2分ほど排水すれば完了です。
忘れないように盆と正月などと決めておくとよいでしょう。
給湯の他に床暖房や浴室暖房乾燥もできる多機能型エコキュートもあります。
ただし、貯湯タンクのお湯を給湯と温水式の床暖房・浴室暖房で分け合うので、床暖房できる広さや連続運転
時間に制限があります。