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太陽熱利用
太陽エネルギーは人類が最も古くから利用してきました。
太陽熱を集め給湯や暖房等に使用する太陽集熱器の開発が進み、石油危機後の1980年代には研究開発が盛んに実施され、自然循環型・強制循環型等のソーラーシステムが多く開発されました。
一般家庭でも積極的に利用されるようになり、一昔前はどこの屋根でも見かけましたが現在では最盛期の約1/2以下となっています。
しかし、自然エネルギーに対する注目の高まりを背景に再び太陽熱利用が見直されれています。
太陽熱利用機器は太陽光発電などと比較して、エネルギー変換効率が高いという点にあります。
太陽の光を半導体によって電力に変える太陽光発電では、太陽エネルギーの10%程度しか利用していませんが、太陽光を熱に変える方式では40%以上のエネルギー利用が可能なのです。
設置費用も太陽光発電などと比較して安価なため、費用対効果の面でも有効な技術といえます。
利用用途も給湯や暖房だけでなく、冷房・プール加温・乾燥及び土壌殺菌等への幅広い分野での利用が可能な技術です。
集熱器の種類
太陽集熱器は熱エネルギーを水に蓄える水式と空気に蓄える空気式の2種になります。
水式集熱器は、「自然循環型」と「強制循環型」の2種類に分類でき、自然循環型は「平板型集熱器」で既存の設備ににも接続でき、比較的安価ですが凍結、水漏れの心配があります。
強制循環型は「真空管型集熱器」で既存の設備ににも接続でき、集熱面積が少なくても熱効率が良く、高温集熱に適していますが、比較的高価で凍結、水漏れの心配があります。
空気式集熱器は建築と一体化が可能でデザイン性に優れ、凍結、水漏れの心配がありません。
集熱した空気を直接暖房に使用できるので、利用効率が高いですが、ダクトがスペース必用になります。
利用システム
1、給湯利用
年間を通して50℃〜60℃の温度が求められ、使用温度が比較的低温であることから集熱効率が高く、太陽熱利用に最も適しています。 ただし、天候により太陽熱を利用できない場合に備えて給湯器の設置が必要です。
2、給湯・暖房の併用
暖房利用は、集熱器で集めた熱を暖房設備に送るだけで、比較的簡単に導入することができ、また給湯とセットにすることで年間を通じて太陽熱を利用することが可能です。
暖房利用では、利用する時間帯と集熱時間帯が常に一致しないので、蓄熱装置を設置する必要があります。 また、給湯利用と同様に天候に対応するため補助熱源の設置が必要です。
3、給湯・冷房の併用
集熱器によって集めた太陽熱を吸収式冷凍機などに導入することで、冷房への利用も可能です。
給湯暖房と組み合わせて使用することで、夏の余剰熱を有効に利用して、設備の稼働率を向上させることができます。
ただし、吸収式冷凍機の導入はシステムが複雑になり、設備投資が増加するので、ランニングコスト低減によるコスト回収を検討する必要がありるでしょう。
太陽熱利用は戸建住宅が現時点で導入が進んでいますが、福祉施設、学校、プールなどでの公共分野でも、少しずつ導入されつつあります。今後産業利用など幅広い導入が期待されるでしょう。