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大気電流発電
しかし、最近行われたアメリカ化学会国際会議で、ブラジルのFernando Galembeck氏が住宅の屋根に装置を取り付け、大気から安価でクリーンな電力を取得するという未来の構想を発表しました。
この構想の内容は、これまで大気中の水滴は電気的に中性であり、たとえ塵の粒子や他の液体の電荷と接触しても中性を保つと考えられてきましたが、一連の実験の結果、実際には水滴は電荷を帯びることを発見しました。
空気中の水蒸気の量が増える(高い湿度)と、それら物質の粒子はますます電荷を帯びる傾向があることを突き止め、「これは、大気中の水が電荷を蓄積し、接触した他の物質にその電荷を移動させられることを示す明らかな証拠だ」と述べています。
特に湿度の高い熱帯地方などにおいて、「湿度電気」を大気中から「収穫」できる可能性を考え、大気中の電気を捕捉する収集パネルの素材に最も適している金属を特定するための実験を行なっています。
また、日本では金沢工大の饗庭貢教授が「大気電流発電」という大気中に存在する、雷にならない程度の比較的低圧の静電気を回収して電力として利用する技術の研究をしています。
饗庭教授の研究では、雷雲が近づくたびに地表との間に流れる大気電流と、雷放電後の続流と呼ばれる弱い電流を蓄える仕組みで、雷を引き起こす500V以上の静電気は地中に逃がすため、落雷防止にも利用できるそうです。
実験観測では、高さ65メートルの避雷針を用い冬の1カ月で推定400キロワット時の電気量が可能という結果がでています。これは一般家庭の月間平均電気使用量は約340キロワット時とされますから、ほぼ一世帯で必要な電気がまかなえる計算になります。