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宇宙で太陽光発電

太陽光発電は現在、小型化・携帯化が進む一方で、宇宙で太陽エネルギーを集め地球に送ろうという壮大な取り組みが始まっています。
このシステムは太陽光パネルを装備した衛星を地球から打ち上げ、そこに太陽光を当てて直接エネルギーを集め、このエネルギーを地球に伝送し、各家庭や工業・商業施設に届けるというイメージです。

このシステムのポイントは「宇宙から地球にどうやってエネルギーを伝送するか?」ですが、物理学者のJohn Mankinsが、マウイ島の山頂で太陽エネルギーを集め、約148キロメートル離れたハワイ本島に無線伝送するという実験を成功させました。この伝送技術を応用すれば、宇宙で集めた太陽エネルギーを地球に送るという新しい発電手段の実現可能性が見えてきました。

日本でも、2009年9月、経済産業省・宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主導のもと16企業が参加する研究開発プロジェクトが立ち上げられ、2030年、宇宙衛星での太陽光発電の操業開始を目指し、2兆円規模の投資を行い、発電能力は1ギガギットを想定し、東京都の29.4万世帯分の電力需要をまかなう方針だそうです。

地上での太陽光発電では、夜間に可動できず、また天候が発電効率を左右したり、立地条件によって発電能力にばらつきが出るという短所がありますが、宇宙での太陽光発電が実用化されれば、天候や季節の影響を受けず、昼夜を問わず年間を通して安定的に電力供給できるという大きなメリットがあります。

宇宙での太陽光発電が、太陽光というクリーンエネルギーを地球で効率的に活用するための画期的な技術であることに違いはないが、多くの課題も含んでいます。

まずは、現時点で設備投資に膨大な資金が必要であり、今後の研究開発においてコスト効率化の追求が課題として上げられます。また、流星塵などの宇宙の浮遊物が太陽光発電を行う衛星に何らかの影響を及ぼす可能性も指摘されているし、電力エネルギーを宇宙から地上へ伝送するにあたって、地球環境や人体への安全性を研究、保証することも大きな課題です。

SF映画のようなこの計画が現実化すれば、屋根の上から太陽光発電パネルは消えていくでしょう。

  

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