太陽光発電とクリーンエネルギー

次世代の太陽電池として、CIGS太陽電池というシリコンを使わない太陽電池が注目を浴びています。
これは、以前同HPで紹介した「昭和シェルCSI太陽電池」と同じ系統の太陽電池です。

CIGS太陽電池の大きな特徴は2つあり、1つは，発電層の厚さを数μmと薄くできることで、これにより材料コストを低く抑えることができるほか、製造時の投入エネルギーも節約できるます。
発電層を薄くできるのは、CIGS系材料の光吸収率が極めて高いことに加、発電層を蒸着やスパッタなどの積層法で形成できるためです。

もう1つの特徴は、理論的な発電効率が25〜30％と高く単結晶Siを上回ることです。 CIGS系半導体には、厚み方向で組成を変えることで、吸収波長域を制御できる性質があり、組成を工夫して吸収波長域を広げることで、発電効率を高めることができます。

このほかCIGS太陽電池は、Si太陽電池と比べて光や放射線により劣化しにくいとされ、製品寿命を伸ばせるほか宇宙での利用にも適しています。

次のサイトに独立行政法人 産業技術総合研究所「太陽光発電研究センター」と帝人株式会社の協同開発で、CIGS薄膜を用いたフレキシブル太陽電池のエネルギー変換効率を飛躍的に高める技術を開発した内容が詳細に出ています。⇒「産業技術総合研究所」


　　　　　　　　＜産業技術総合研究所HP写真参照＞

CIGS太陽電池は、シリコンを使わないことから、将来的にはシリコン系をしのいで低コスト化されるだろうと考えられます。また、製造のための投入エネルギーも低く、多結晶シリコン系に比べて半分で済むといいますから、単結晶系に比べればさらに低いのかもしれず、「省エネ」「エコ」という点では、現在のシリコン系の太陽電池よりもずっと優れていることになるでしょう。